バドミントンのシャトルの羽根は何枚?
16枚です。ガチョウなどの羽根を、左右どちらか同じ側の翼からだけ選んで使います。
16枚
バドミントンで打ち合う球は、正式には「シャトルコック」、ふだんは「シャトル」と呼ばれます。丸いコルクの台に白い羽根がぐるりと植えられた、ほかの球技にはない独特のかたちです。
体育館で何気なく打っているあのシャトル、羽根が何枚あるか数えたことはあるでしょうか。実はその枚数から、どの鳥の、どの翼の、どの羽根を使うかまで、細かな決まりやこだわりがあるのです。
羽根は16枚、重さは約5グラム
世界バドミントン連盟(BWF)のルールでは、羽根のシャトルは16枚の羽根をコルクの台に固定したものと決められています。羽根の長さは62〜70ミリで、1個のシャトルの中ではすべて同じ長さでなければなりません。羽根の先が描く円の直径は58〜68ミリ、コルクの台の直径は25〜28ミリ。重さは4.74〜5.50グラムと、1円玉5枚ほどしかありません。
使われるのは、ガチョウやアヒルといった水鳥の羽根です。ガチョウの羽根のほうが丈夫だとされ、試合で使われる高級なシャトルにはガチョウの羽根が使われています。
混ぜてはいけない左右の翼
シャトルづくりで大切なのが、羽根の選び方です。シャトルに使えるのは、翼を広げたときに先端から数えて4枚目から10枚目までの、7枚の風切羽だけだといわれます。1羽のガチョウからとれるのは、左右合わせて14枚です。
ところが、右の翼の羽根と左の翼の羽根を混ぜて使うことはできません。左右の翼では羽根の反り方が逆になるため、混ぜるとシャトルがきれいに回転しながら飛ばなくなってしまうのです。片方の翼から7枚しかとれず、16枚そろえるには、1個のシャトルにつき少なくとも3羽ぶんの翼が必要になります。
国際大会で使われる最高級品になると、選び方はさらに厳しくなります。ヨネックスの公式球では、反りやねじれの具合で羽根を細かく分類し、1つの翼から2枚ほどしか採用しないといいます。単純に計算すると、1個のシャトルに8羽ものガチョウが関わっていることになります。
世界最速、でもすぐ失速
打った直後のシャトルは、とてつもない速さで飛び出します。2023年4月、インドのサトウィクサイラジ・ランキレディ選手が、埼玉県草加市にあるヨネックスの工場の体育館で、時速565キロのスマッシュを記録し、ギネス世界記録に認定されました。テニスのサーブの最速記録として知られる時速263キロの、2倍以上です。
ところが、羽根が空気を大きく受けとめるため、シャトルはあっという間に減速します。どんなに強く打っても、相手のコートに届くころには、ずっと遅くなっているのです。また、羽根を後ろにしてコルクを前に向ける性質があるので、どんな向きで打ってもすぐにくるりと向きを変え、コルクの側から飛んでいきます。羽根は、シャトルの速さとふしぎな飛び方の両方を生み出しているのです。
羽根が足りない
その羽根が、いま不足しています。羽根の多くは中国で食用に育てられたガチョウやアヒルからとられていますが、鳥インフルエンザの流行や食肉の需要の変化などで、供給が減りました。中国畜産業協会によると、2024年のアヒルとガチョウの生産量は2019年より10%近く少なくなったといいます。一方で、競技人口は世界中で増え、シャトルの値段は上がり続けています。
こうした事情から、BWFは2026年4月、人工の羽根を使ったシャトルを一部の国際大会で試験的に使うことを認めました。対象はまずジュニアの大会などで、選手や審判の声を集めながら、羽根のシャトルと同じように飛ぶかどうかを確かめていくとしています。