四つ葉のクローバーはどれくらい珍しい?
よく「1万本に1本」といわれますが、場所や株によって大きく変わり、決まった確率はありません。
63枚
公園の芝生や道ばたの草むらで、しゃがみこんで四つ葉のクローバーを探したことがある人は多いでしょう。いくら探しても見つからない日もあれば、なぜか続けて見つかる日もあります。
四つ葉のクローバーは、いったいどれくらい珍しいものなのでしょうか。そして、そもそもなぜ四つ葉ができるのでしょうか。
「1万分の1」は本当か
一般にクローバーと呼ばれているのは、ヨーロッパ原産のシロツメクサです。ふつう葉は3枚の小さな葉が集まった形をしています。
四つ葉が見つかる確率は、日本でも海外でも、よく「1万本に1本」といわれます。ただし、これは大まかな目安で、きちんとした調査にもとづく決まった数字ではありません。実際に数えてみた報告のなかには、数千本に1本ほどだったというものもあります。
それもそのはずで、四つ葉の出やすさは、場所や季節、そしてどの株かによって大きく変わります。ある株にはひとつも出ないのに、別の株からは次々に見つかる、ということがよくあるのです。四つ葉が一つ見つかったら、そのまわりをよく探してみるとよい、といわれるのはこのためです。
遺伝と環境、ふたつの理由
四つ葉ができる理由は、大きく分けてふたつあると考えられています。
ひとつは遺伝です。もともと四つ葉をつけやすい性質をもった株があり、そうした株からはくり返し四つ葉が出てきます。2010年ごろ、アメリカのジョージア大学の研究チームは、シロツメクサの小葉の数に関わる遺伝子の位置を突き止めたと報告しました。ただし研究者によれば、その性質をもっていても、気温や日の長さなどの条件がそろわないと四つ葉は現れないそうです。
もうひとつは、成長途中の傷です。クローバーの葉は、茎の先にある「原基」という小さな細胞のかたまりが分かれてできます。ふつうは3つに分かれるところ、その時期に踏まれるなどして傷がつくと、4つに分かれることがあるといわれています。人がよく歩く公園の入り口や道ばたで見つかりやすいのは、そのためだと考えられています。
ふたつの理由を合わせて考えると、四つ葉を探すなら、人通りの多い場所で、すでに四つ葉が一度見つかった株のまわりを狙うのがよさそうです。四つ葉探しが得意な人たちが口をそろえて勧めるコツは、意外にも理にかなっているのかもしれません。
世界記録は63枚
四つ葉どころか、もっと多くの葉をつけたクローバーもあります。五つ葉、六つ葉も珍しいながら見つかりますし、栽培して葉の数を増やすことに挑む人たちもいます。
2009年、岩手県花巻市の小原繁男さんは、56枚もの葉をつけたクローバーを発見し、ギネス世界記録に認定されました。小原さんは長年にわたり、葉の多い株どうしをかけ合わせる研究を続けていた人です。
その記録を塗り替えたのが、栃木県に住む男性です。四つ葉や五つ葉、七つ葉などの株を持ち帰って庭で育て、葉の多い株どうしで人工的に受粉させて種をとることを毎年くり返しました。そして2023年7月、1本の茎に63枚の葉がついたクローバーを見つけ、新たな世界記録として認められたのです。数えるだけで1時間以上かかったといいます。
幸運のしるしになったわけ
四つ葉が幸運のしるしとされるのは、ヨーロッパの言い伝えに由来するといわれます。4枚の葉はそれぞれ「希望」「信仰」「愛情」「幸運」を表す、という説明がよく知られています。
一方、アイルランドでは、三つ葉のクローバーの仲間が国の象徴として大切にされています。三つ葉を使ってキリスト教の教えを説いたという聖パトリックの伝説があり、三つ葉は三つ葉で、特別な意味をもっているのです。