元素はいくつある?
いま確認されているのは118種類です。自然界にあるのは94番まで。それより重い元素は人工的に作られました。
118種類
身のまわりのものを細かく分けていくと、やがてそれ以上は別の物質に分けられない「元素」にたどり着きます。水は水素と酸素、食塩はナトリウムと塩素。私たちの体も、酸素や炭素、水素、窒素などの組み合わせでできています。
世界のあらゆるものを形づくる元素は、全部でいくつあるのでしょうか。
答えは118種類
化学の国際的な組織である国際純正・応用化学連合(IUPAC)が認めている元素は、2016年11月の時点で118種類です。この年、113番、115番、117番、118番の4つの元素に正式な名前がつき、周期表の7段目までがすべて埋まりました。
ただし、118種類すべてが自然の中にあるわけではありません。地球上で自然に見つかるのは、1番の水素から94番のプルトニウムまでの94種類。その中には、ごくわずかしか存在しないものもあります。残りの24種類は、原子炉や加速器の中で人工的に作られた元素です。
また、自然にある元素のうち、放射線を出して別の元素に変わっていくことのない「安定な」ものは、80種類ほどにとどまります。
空席を残したメンデレーエフ
元素の数は、時代とともに増えてきました。金や銀、銅、炭素、硫黄などは古代から知られていましたが、それが「元素」だという考え方はまだありませんでした。
1869年、ロシアの化学者ドミトリ・メンデレーエフは、当時知られていた60あまりの元素を重さの順に並べ、性質の似たものが周期的に現れることに気づいて、周期表の原型を発表しました。
メンデレーエフの表のすごいところは、あえて空席を残したことです。並べてみると、ところどころに収まる元素のない場所がある。彼はそこに、まだ見つかっていない元素が入るはずだと考え、その性質まで予言しました。実際に、1875年にはガリウム、1886年にはゲルマニウムが発見され、予言どおりの性質をもっていることが確かめられたのです。
日本生まれのニホニウム
周期表の113番目の席を埋めたのは、日本の研究チームでした。埼玉県和光市にある理化学研究所の森田浩介さんらは、2003年から、亜鉛の原子をビスマスの原子に猛烈な速さでぶつけて、2つをくっつける実験を続けました。
ところが、狙いどおりに合体する確率はとてつもなく低く、113番元素の原子をとらえられたのは、2004年7月、2005年4月、2012年8月のわずか3回だけ。できた原子はすぐに壊れて別の元素へと次々に変わっていくため、その変わり方をたどることで、113番元素だったことを確かめたのです。9年がかりでつかまえた3個の原子が、新しい元素の証拠になりました。
2015年12月、IUPACは113番元素の命名権を理化学研究所に与え、2016年11月28日に国名の「日本」にちなむ「ニホニウム(元素記号Nh)」という名前が正式に決まりました。アジアの研究チームが名づけた、初めての元素です。
119番目を目指して
周期表は、118番で終わりと決まっているわけではありません。理化学研究所は2018年から、バナジウムの原子をキュリウムにぶつけて119番元素を作る実験を続けていますが、2024年の時点でまだ原子は見つかっていません。ロシアや中国の研究所も、119番や120番を狙う計画を進めています。元素の数が119になる日が来るのか、世界の研究者たちが競い合っています。