人は1日に何回まばたきする?
起きているあいだに、およそ1万5000〜2万回ほどといわれます。
15〜20回
まばたきは、ふだんほとんど意識しない動きです。それでいて、私たちは起きているあいだじゅう、休むことなくまぶたを開け閉めし続けています。では、その回数は1日でどれくらいになるのでしょうか。
大人のまばたきは、1分間におよそ15回から20回ほどとされます。1日のうち起きている時間を16時間とすると、単純に計算して1日に約1万5000回から2万回。1年なら数百万回にもなります。ただし、まばたきの回数は人によっても、そのときの状況によっても大きく変わります。
一瞬のあいだに起きていること
まばたき1回にかかる時間は、およそ0.1秒から0.4秒ほど。「瞬く間(またたくま)」という言葉があるように、ほんの一瞬の出来事です。
まばたきのいちばん大切な役目は、目の表面をうるおすことです。まぶたが閉じるたびに、涙が目の表面に薄く塗り広げられ、乾燥を防ぐとともに、小さなほこりやごみを洗い流します。車のワイパーのような働きだと思えばわかりやすいでしょう。
まばたきには、大きく分けて3つの種類があります。意識しないうちに自然に起こるもの、何かが目に近づいたときに反射的に閉じるもの、そして自分の意思で閉じるものです。1日に1万回を超えるまばたきの大部分は、最初の「自然に起こるまばたき」です。
画面を見ると、まばたきは減る
まばたきの回数は、何をしているかによって大きく変わります。とくに減るのが、何かに集中しているときです。
1990年代に日本の研究者が報告した調査では、くつろいでいるときには1分間に20回あまりだったまばたきが、本を読んでいるときには10回ほど、パソコンの画面を見ているときには7回ほどにまで減ったとされています。画面を見つめていると目が乾きやすいのは、このまばたきの減少が一因と考えられています。
一方、生まれたばかりの赤ちゃんのまばたきはとても少なく、1分間に数回ほどしかないともいわれます。なぜ赤ちゃんはこれほどまばたきが少ないのか、その理由ははっきりとはわかっていません。
目を閉じても、世界は暗くならない
1分間に十数回、毎回0.1秒以上も目を閉じているなら、私たちの視界はしょっちゅう真っ暗になっているはずです。ところが、まばたきのたびに目の前が暗くなったと感じることは、まずありません。
これは、まばたきの瞬間に、脳が視覚の情報の処理を一時的に抑えているためだと考えられています。光がさえぎられた一瞬の「空白」を、脳がうまく目立たないようにしてくれているのです。そのおかげで、私たちは途切れのない、なめらかな世界を見ていると感じられます。
まばたきは心の句読点?
まばたきには、目をうるおす以外の意味もあるのではないか。そう考えた研究もあります。
大阪大学などの研究チームは、イギリスのコメディ番組『Mr.ビーン』の映像を人々に見せ、まばたきのタイミングを調べました。すると、登場人物の動作がひと区切りついたときや、主人公が画面から消えたときなど、見逃しても困らない場面で、見ている人たちのまばたきがそろって起きやすいことがわかりました。
さらに2012年に発表された研究では、映像を見ている最中にまばたきをすると、その瞬間に、外の世界に注意を向ける脳のネットワークの活動が下がり、ぼんやりと内面に向かうときに働くネットワークの活動が上がることが報告されました。まばたきは、集中をいったんリセットする、文章の句読点のような役割を果たしているのかもしれません。