赤ちゃんの骨は大人より多いって本当?
答え
本当です。大人は約206本、生まれたばかりの赤ちゃんは約270〜300本あるとされます。
206本
体が大きくなれば、そのぶん骨も増えていく。なんとなくそう考えてしまいますが、実際はその逆です。生まれたばかりの赤ちゃんは、大人よりもたくさんの骨を持っています。
大人の骨の数は、一般に約206本とされます。これに対して新生児は、およそ270本から300本ほど。数え方によって幅があり、資料によって数字が違うのですが、いずれにしても大人より数十本は多いことになります。では、成長の途中で骨はどこへ消えてしまうのでしょうか。
消えるのではなく、くっつく
答えは、骨が「なくなる」のではなく「つながって一本になる」からです。
赤ちゃんの骨格には、まだ硬い骨になりきっていない軟骨の部分がたくさんあります。成長とともにその部分が少しずつ骨に置き換わり、隣り合う骨どうしが癒合していきます。いくつかのパーツが合わさって一本の骨になるため、全体の本数は減っていくのです。
わかりやすいのが、背骨のいちばん下にある仙骨です。子どものうちは5つの椎骨に分かれていますが、大人になるまでにひとつの骨にまとまります。その下の尾骨も、いくつかの小さな骨が癒合してできたものです。
頭のてっぺんが柔らかい理由
赤ちゃんの頭をなでると、てっぺんに少し柔らかい部分があります。これは「大泉門(だいせんもん)」と呼ばれる、頭の骨と骨のすき間です。
頭蓋骨はもともと複数の板状の骨からできていて、生まれたときにはまだしっかり固定されていません。このすき間があるおかげで、狭い産道を通るときに骨どうしが少し重なり合い、頭の形を変えることができます。さらに生まれてからの数年間、脳は急速に大きくなりますが、骨がまだ閉じきっていないことで、その成長にも対応できるのです。
大泉門はふつう1歳半から2歳ごろまでに閉じていきます。多すぎる骨は、出産と急成長という大仕事を乗り切るための、柔らかな設計だといえます。
骨の完成は20代
骨の癒合は、赤ちゃんの時期だけで終わるわけではありません。腕や脚の長い骨の両端には「骨端線(こったんせん)」と呼ばれる軟骨の層があり、ここで骨が伸びることで身長が高くなります。思春期を過ぎてこの層が骨に置き換わると、背の伸びは止まります。
骨によって癒合の時期はまちまちで、遅いものでは20代になってようやく完成するものもあります。つまり、私たちの骨格が「大人の206本」になるまでには、20年あまりの時間がかかっているのです。
なお、206本というのもあくまで標準的な数です。小さな種子骨(しゅしこつ)の数や、肋骨の本数がわずかに違うなど、骨の数には個人差があります。
耳の奥の、米粒より小さな骨
骨の数の話をするなら、いちばん小さな骨にも触れておきたいところです。それは耳の奥、中耳にある「あぶみ骨」です。
長さはおよそ3ミリほど。米粒よりも小さな骨ですが、馬具の「あぶみ」に似た形をしていることからこの名前がつきました。中耳にはあぶみ骨のほか、つち骨、きぬた骨という小さな骨が並んでいて、鼓膜の振動を順番に受け渡し、内耳へと伝えています。私たちが今こうして音を聞けるのは、この小さな骨たちのリレーのおかげです。
ちなみに、これらの耳小骨(じしょうこつ)は、生まれたときにはすでにほぼ大人と同じ大きさになっているといわれています。体のほかの部分がどれだけ成長しても、耳の奥だけは最初から完成形に近いのです。