太陽はいつか燃え尽きる?
いつか燃料が尽きます。約50億年後に大きく膨らみ、最後は地球ほどの白色矮星になります。
50億年
毎朝東から昇り、夕方には西へ沈む太陽。人類の歴史を通じて、太陽ほど変わらないものはないように思えます。けれども太陽もまた、生まれ、年をとり、いつかは輝きを失うひとつの星です。
太陽が誕生したのは、約46億年前。その中心では、水素がヘリウムに変わる核融合によって、莫大なエネルギーが生み出されています。けれども、燃料である水素には限りがあります。太陽の寿命は、あとどれくらい残っているのでしょうか。
人生の折り返し地点
太陽のような星は、中心の水素を使いながら、長いあいだ安定して輝き続けます。この時期の星を「主系列星」と呼び、太陽の場合、この時期はおよそ100億年続くと考えられています。誕生から46億年がたった今の太陽は、ちょうど人生の折り返し地点にさしかかったところです。
ただし、安定しているといっても、太陽がまったく変わらないわけではありません。中心にヘリウムがたまるにつれて、太陽は少しずつ明るさを増しています。その割合は、10億年でおよそ10%。わずかな差に思えますが、この変化は、のちに地球の運命を大きく左右することになります。
膨らむ太陽、のみ込まれる惑星
今から約50億年後、中心の水素を使い果たすと、太陽は大きく姿を変えます。燃えかすのヘリウムがたまった中心部は縮んで高温になり、一方で外側の層は大きく膨らみます。表面の温度は下がり、太陽は赤く輝く「赤色巨星」になるのです。
赤色巨星になった太陽の半径は、今の200倍以上、地球の軌道の近くにまで広がると見積もられています。水星と金星は、膨らんだ太陽にのみ込まれてしまうでしょう。
地球の運命については、はっきりしたことはわかっていません。年老いた太陽は大量のガスを宇宙へ放出して軽くなり、そのぶん重力が弱まって、地球の軌道は外側へ広がります。この効果で逃げ切れるのか、それとも太陽の外層に引きずり込まれてしまうのか。研究者のあいだでも、見解が分かれています。
最後は、地球サイズの燃えかす
赤色巨星となった太陽は、中心でヘリウムを燃やすなどしてしばらく輝いたのち、外側のガスを宇宙空間へと手放していきます。放出されたガスは、中心に残った高温の芯に照らされて光り、「惑星状星雲」と呼ばれる美しい姿を見せます。
ガスが散ったあとに残るのが、「白色矮星」です。もとの太陽の半分ほどの質量が、地球くらいの大きさにぎゅっと詰め込まれた天体で、1立方センチメートルあたり1トンほどにもなる、とてつもない密度をもっています。白色矮星の中では、もう核融合は起こりません。残った熱で白く輝きながら、気の遠くなるような時間をかけて、ゆっくりと冷えていきます。
太陽が、派手な超新星爆発を起こすことはありません。超新星になるのは、太陽のおよそ8倍以上の質量をもつ重い星です。太陽の最期は、爆発ではなく、静かにガスを脱ぎ捨てて小さくなっていく、穏やかなものだと考えられています。
地球の「締め切り」は、もっと早い
もっとも、地球にとっての本当の問題は、50億年後よりずっと手前にやってきます。鍵を握るのは、先に触れた太陽の明るさの変化です。
太陽が明るくなると、地球は少しずつ暑くなります。気温が上がれば海から蒸発する水が増え、その水蒸気自体が熱を閉じ込める温室効果ガスとして働きます。研究によって数字に幅はありますが、今からおよそ10億年後には、地球は今のような海を保つことが難しくなり、生命にとって厳しい環境になると考えられています。
太陽が寿命を迎えるよりずっと前に、地球は住みにくい星になってしまう可能性が高いのです。とはいえ、10億年は途方もなく長い時間です。私たちホモ・サピエンスが誕生してから、まだ数十万年しかたっていないことを思えば、はるかかなたの未来の話です。