マグニチュードと震度はどう違う?
マグニチュードは地震そのものの規模、震度はある場所での揺れの強さを表します。
32倍
地震が起きると、テレビやスマートフォンに速報が流れます。震源の場所と深さ、地震の規模を示すマグニチュード、そして各地の震度。毎回のように耳にする2つの数字ですが、マグニチュードと震度の違いをきちんと説明しようとすると、意外と言葉に詰まるかもしれません。
よく使われるのが、電球のたとえです。マグニチュードは電球そのものの明るさ、震度は電球から離れたある場所での明るさにあたります。同じ電球でも、すぐそばではまぶしく、遠く離れれば暗く感じられます。
マグニチュードは、地震そのものの大きさ
マグニチュードは、地震が起きたときに地下で解き放たれたエネルギーの大きさを表す尺度です。ひとつの地震に対して、値は基本的にひとつだけ。どこで観測していても、その地震のマグニチュードは同じです。
この尺度を考え出したのは、アメリカの地震学者チャールズ・リヒターで、1935年のことでした。地震計に記録された揺れの幅をもとに、地震の規模を数字で比べられるようにしたのです。この発想には、日本の地震学者・和達清夫の研究が影響を与えたことも知られています。
今では、地下の断層がずれ動いた面積やずれの量などから求める「モーメントマグニチュード」が、特に大きな地震の規模を表す世界的な標準になっています。日本の気象庁は、地震計の記録から素早く計算できる「気象庁マグニチュード」を主に使い、巨大な地震ではモーメントマグニチュードも用いています。
1違うと、エネルギーは約32倍
マグニチュードで注意したいのは、数字の増え方です。マグニチュードが1大きくなると、地震のエネルギーは約32倍になります。2大きくなると、32×32で約1000倍です。
つまり、マグニチュード7の地震と9の地震は、数字の差はたった2でも、エネルギーには約1000倍の開きがあります。マグニチュード9の地震ひとつのエネルギーは、マグニチュード7の地震1000回分に相当するのです。観測史上最大とされるのは1960年に南米チリで起きた地震で、モーメントマグニチュードは9.5と推定されています。2011年の東北地方太平洋沖地震は9.0でした。
震度は、その場所の揺れの強さ
一方の震度は、ある場所がどれくらい強く揺れたかを表します。同じ地震でも、震源に近い場所ほど揺れは強く、遠ざかるほど弱くなるのがふつうです。また、硬い岩盤の上より柔らかい地盤の上のほうが揺れやすいなど、土地の性質によっても変わります。そのため、ひとつの地震に対して、震度は観測した場所の数だけあります。
日本で使われている気象庁の震度階級は、震度0から震度7までの10段階です。0、1、2、3、4の次は5弱と5強、6弱と6強に分かれ、最大が7。最大の震度7は、1948年の福井地震をきっかけに、翌年に設けられました。その後、1996年に5と6がそれぞれ2つに分けられて今の10段階になり、同じ年から、震度は人の体感ではなく、震度計で自動的に測られるようになっています。
現在、気象庁が発表する震度は、気象庁や自治体などが全国4000か所あまりに設置した震度計のデータをもとにしています。
規模が大きくても、震度が小さいことも
2つの違いがわかると、ニュースの見え方も変わってきます。マグニチュードが大きくても、震源が陸から遠い沖合や地下深くにあれば、陸上の震度はそれほど大きくならないことがあります。逆に、マグニチュードがそれほど大きくない地震でも、震源が浅く、すぐ近くで起これば、局地的に強い揺れになることがあります。
震度の決め方も、国によって違います。アメリカなどでは12段階の「改正メルカリ震度階級」が使われ、ヨーロッパには独自の震度階級があります。地震そのものの規模を表すマグニチュードが世界で共通して使われるのに対して、震度は、それぞれの国が自分たちの建物や暮らしに合わせてつくってきた物差しなのです。